こんにちは。
ケミクライムです。
水耕栽培で液体肥料って作れないかな〜と思って本を読んだりしています。
専門的な分野だったりするので難しい言葉も結構出てきます。
その中で理解するのに時間のかかったところを今回記事にしてみました。
液体肥料を作る上で乗り越えなければならない壁みたいなものです。
それが液体肥料の濃度の単位。
mg/lではなくme/lやppmなど見慣れない単位が表示されていたりします。
う〜ん。学生時代習ったような習ってないような・・・。
そこで今回はme/lとppmの意味を理解します。
そしてもしこのような単位が出てきたとしてもmg/lに変換出来るようにします。
それでは始めます。
me/lとppmの説明と計算方法
me/lの説明
me/lというのはイオン濃度という単位になります。
これは培養液中にイオンがどれだけ溶けているか表す単位の事です。
培養液中の各イオン濃度は重量比(ppm)や単位容積中のmg/lなどで表示される事があります。
重量比であるppmやmg/lは培養液処方を計算し、肥料を計量したりする場合にはとても使いやすいです。
しかしながらイオン濃度の単位としては不適切です。
どちらを使うほうが適切かというのは今の所はっきりしておらず、難しいところです。
ppmの説明
ppmとは百万分の一という意味です。
重量比、容量比どちらの単位にも用いられます。
1kgあるいは1l中に元素1mgが含まれていれば1ppmとなります。
ppm=mg/lという関係が成り立ちます。
mg/lは私達にも馴染み深い単位なので分かりやすいですね。
me/lとppmの計算式
水耕栽培で使用される元素はほぼ決まっています。
主な元素は以下のとおりです。
N,P,K,Ca,Mgです。
以下の培養液は有名な大塚化学の処方例です。
大塚化学 | N | P | K | Ca | Mg |
---|---|---|---|---|---|
A処方(me/l) | 18.5 | 5.1 | 7.6 | 8.2 | 3.7 |
B処方(me/l) | 16.4 | 3.9 | 8.0 | 7.8 | 4.0 |
単位を見るとme/lとなっています。
これだと液体肥料を作りたくてもどれくらい分量を入れればいいのか分かりません。
そこでppm(mg/l)に単位を変更します。
変更する式は以下のとおりです。
ppm=me/l×分子量÷原子価
分子量という言葉が出てきましたが、その前に原子量という言葉を理解しましょう。
原子量とは
原子量とは一定の基準によって定めた原子の質量の事を言います。
難しい事は良く分からん人は原子量は原子によって固定されているのでその数値さえ覚えれば問題ないです。
水耕栽培でよく使うのをまとめたので参考にして下さい。
原子 | 原子量 |
---|---|
Ca | 40.08 |
Mg | 24.32 |
K | 39.1 |
N | 14.008 |
P | 30.975 |
S | 32.066 |
Fe | 55.85 |
O | 16 |
H | 1.008 |
分子量とは
分子量とは原子量の総和の事です。
簡単に言うとH2Oというものがあります。
これはH(水素)が2つとC(炭素)が1つ合体して水となっています。
H原子量1が2つ+O原子量16=18となります。
これが分子量です。
原子価とは
次に原子価の説明です。
原子価は原子が持つ手の数です。
手の数が多いとその分色んなものと手を取り合うことが出来ます。
これも原子によって数値が決まっています。
めんどくさい人は下記の内容を覚えれば問題ないです。
原子価 | 原子 |
---|---|
1 | H,Na,K,Ag |
2 | Ca,Zn,Mg,O,S,Fe,Cu |
3 | N,AL,P |
4 | C |
5 |
※原子価の表は私が読んだ本に記載されていたものを使用しておりましたが、読者よりPは3ではないか?と指摘があり調べたところPの原子価は3でしたので修正しました。ただ、本の作者の意図が分からない部分もありますので、Pの原子価5は横棒で消しています。
ちょっと長くなりましたがここまで理解できればme/lをppm(mg/l)に変換できます。
それでは大塚化学のA処方のNの値18.5me/lをppm(mg/l)に変換します。
大塚化学 | N | P | K | Ca | Mg |
---|---|---|---|---|---|
A処方(me/l) | 18.5 | 5.1 | 7.6 | 8.2 | 3.7 |
B処方(me/l) | 16.4 | 3.9 | 8.0 | 7.8 | 4.0 |
計算式は次の通りです。
ppm=me/l×分子量÷原子価
18.5(me/l)×分子量14÷原子価3=86.3ppm(mg/l)となりました。
反対にppmをme/lに変換する式は以下のとおりです。
me/l=ppm×原子価÷分子量
まとめ
水耕栽培で液体肥料を作るために必要な単位について調べてみました。
これでもしme/lと出てきたとしても焦らず対応できるようになりました。
学生時代に習っている事でもあるのでもし分からなくなれば読み返して下さい。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
参考資料
野菜園芸大百科第2版:養液栽培養液土耕22 社団法人農山漁村文化協会
野菜園芸大百科〈22〉養液栽培・養液土耕