てんとう虫の大脱走
名前
私の名前はケンシロウ。
背中に7つのアザがあるてんとう虫です。
この日はとてもあったかい日でした。
私は河原でのんびりしていました。
ケンシロウ「日光あったけ〜。」
今日はポカポカ陽気です。
しかしながら、いつもと変わらない日常は突如として変化します。
巨人・・・現るッ!!!
それは突然の出来事でした。
私の目の前に、いきなり巨大な人間が現れました。
その巨人は私を変な形をした容器に詰め込もうとしてきたのです。
私も捕まらないように必死で逃げました。
ケンシロウ「誰か〜ッ!助けてくれ〜〜〜!!」
そんな叫びも虚しく、私は巨人に捕まってしまいました。
巨人「ぐっへっへっへ」
ペットボトルからの脱走
ペットボトルに入れられた私は何度か脱走を試みました。
ペットボトルのキャップの所。
あそこから入れられたのだから
あそこから出られるに違いない!
私はなんとかキャップ付近に陣取りました。
巨人は次の私の仲間を探しているようでした。
どうやら私の仲間を見つけたようです。
巨人は喜んでいます。
巨人「ぐっへっへっへ」
そして、ペットボトルのキャップに手を伸ばしました。
私は息を殺してじっと見ていました。
ケンシロウ「キャップが・・・開いたッ!今だーー!」
私は全力でキャップの所に突進しました。
しかし、巨人に気付かれてしまいました。
Σ(っ゚Д゚;)っヤバシッ!
巨人はペットボトルを振って私をペットボトルの底に振るい落としました。
ドッ!!(ペットボトルの底に叩きつけられた音)
うっうう〜〜ノω-;)イタァ…
そして、仲間も捕まりました。
私はおとなしくすることにしました。
チャンスはまだあるはず。
私はまだ脱走を諦めていませんでした。
私を含め3匹のてんとう虫がこの巨人に捕まりました。
巨人の家
巨人の家に着きました。
巨人は何かを作っているようでした。
私達は脱出するためにペットボトルの中をウロウロしていました。
しかし、脱出する場所は見つかりませんでした。
ペットボトルは密閉されていました。
巨人がペットボトルに穴を開け始めました。
これは・・・空気穴・・・?
これは私達が窒息しないように巨人が開けてくれました。
しかし、私達が脱走するには小さすぎる穴。
巨人はあくまでも私達を閉じ込める気でした。
餌が与えられる
巨人は新しいてんとう虫ハウスを作っていました。
そして完成したてんとう虫ハウスに私達を閉じ込めました。
私達はとてもお腹を空かせていました。
そういえば、もう何時間も食事を取っていません。
そんなとき、てんとう虫ハウスのフタが開き上から葉っぱが供給されました。
その葉っぱには私達が大好きなアブラムシが付いていました。
ヾ(●⌒∇⌒●)ノ わーい
一心不乱で私達はアブラムシを食べました。
ふと周りをみると巨人がうっすら不気味な顔でこちらをみて微笑んでいました。
巨人「ぐっへっへっへ」
このとき私達は思い知ったのです。
この場所からはもう逃げられないということに・・・。
自己紹介
私の他に2匹のてんとう虫が捕まりました。
1匹はごんべえと言う名前のオスです。
無表情で、おとなしい感じです。
もう1匹はななこと言う名前のメスでした。
可愛い感じですが、気が強そうなタイプです。
この日は3匹一緒に巨人が作ったてんとう虫ハウスで寝ることになりました。
事件発生
朝になりました。
私は喉が乾いたので、水を飲もうと当たりをウロウロしていました。
すると、何か声が聞こえます。
ごんべえの声です。
ごんべえ「助けてくれ〜〜!!」
ごんべえは巨人が作った砂糖水の泉で溺れていました。
ケンシロウ「大丈夫か〜!すぐに行くから〜。」
私はごんべえのところへ行きました。
しかしその砂糖水の泉は玉子のパックで作られており、ツルツル滑るのです。
うわああああああああ〜〜!!
私は誤って砂糖水の中に落ちてしまいました。
私達てんとう虫はひっくり返るとなかなか起き上がれないのです。
さらに羽が濡れると力が段々となくなり力尽きてしまいます。
後ろ向きで羽が濡れた状態のごんべえは瀕死の状態でした。
ごんべえ「ケンシロウ・・・。俺はもう、ダメだ・・・。」
ケンシロウ「何いってんだッ!諦めんなよッ!」
ごんべえ「ななこを・・・ななこを宜しくな・・・。」
ケンシロウ「訳解んないこと言ってんじゃねーよ!」
ごんべえ「・・・。」
ケンシロウ「・・・ご、ごんべえ?」
ケンシロウ「ごんべえーーーーーーッ!!」
ごんべえは息絶えてしまいました。
ケンシロウ「うっ。ごんべえぇ(。´Д⊂)うぅ・・・。」
ケンシロウ「やべぇ・・・。力が抜けてきた。俺もここまでか・・・。」
意識がもうろうとしていた時に、巨大なマルい棒のようなものが私の方めがけて接近して来ました。
私はなんとかその棒に捕まり、砂糖水の泉から救出されました。
その巨大な棒は、よくみると巨人の指でした。
巨人は溺れていた私を救ってくれました。
それから息絶えたごんべえを巨人は救出していました。
すでに息絶えていたごんべえをみて巨人は少し悲しそうでした。
私はというとその後、ベランダへと移動させられました。
ここが何かよく分からなかったが、とりあえずウロウロとしてみました。
後ろにはあの巨人がじっと私をみつめていました。
私は朝の事件で疲れていたので、近くの葉っぱで寝ることにしました。
動かなくなった私を見てつまらなくなったのか、巨人は去っていきました。
しばらくして、私は目を覚ましました。
そこには見たこともない景色が広がっていました。
トマト、じゃがいも、ニンニク、オクラ、イチゴ、パイナップル。
これは、あの巨人が育てているのか・・・。
私は、ななこの事が気になり、てんとう虫ハウスを探しました。
すると窓の向こう側にてんとう虫ハウスを発見しました。
しかしそれを見て絶望しました。
窓は閉まったままだったのです。
ケンシロウ「俺だけの力じゃ無理だ・・・。」
てんとう虫の大脱走
私は考えました。
どうすれば、ななこを救えるのか。
しかしいくら考えても答えは見つかりませんでした。
途方に暮れていた私は母の事を思い返していました。
母「困ったことがあったら、何でも聞いてみること。そしたら誰かが必ず教えてくれるから。恥ずかしいことなんかないよ。分からんままのほうがよっぽど恥ずかしいんだから。」
私は教えてくれる誰かを探すことにしました。
しかし、ここには誰もいない。
このままここにいてはまたあのてんとう虫ハウスに戻されてしまう。
私は、ここを脱走する事にしました。
答えを知っている誰かを探す為に。
幸い今はあの巨人はいません。
私は空を見上げました。
そして思い切って羽を広げ大空へ向かって飛び立ちました。
空からはあの巨人のベランダが見えます。
ななこ。いつか必ず救い出してやるから。
そんな事を思いながら、私は巨人のベランダから脱走したのでした。
つづく。